娘を強姦の末に殺されて復讐する父。
救われなさ故に神を疑っても実存を否定できない人間は、キリスト教と異教、正と邪の対比の中でより鮮やかに苦悩する。
罪と罰と許しはどこに。
台詞や演出は形式的な大仰さも感じさせながら端正でわかりやすく、物語の悲惨さがダイレクトに伝わってくる。
強姦と復讐のシーンも、否応なしに巻き込まれてしまった少年の存在も辛く、やりきれない。
『羅生門』の影響下にあって、提示されるアンサーの違いに、東西の人生と宗教観を考えちゃうよね…ってか『羅生門』また観たくなるよね……。