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処女の泉のromioのレビュー・感想・評価

処女の泉(1960年製作の映画)
4.0
タイを旅行中、映画が大好きだという日本人と知り合い、この監督の話になり、勧められた作品。

まず、最初のワンカットからやられる。
こちらを睨みつける女性。
そしてその女性がどこか部屋の中で働いていて、他の人とやり取りをしている様子。
ここだけで、この女から目が離せないし、この先何かが起こりそうという不安感に興味がそそられる。
そして、このBGMなしの無音がまた心地よくもあり、時に心地悪くもある。

本作は、反キリスト教や宗教に対する批判という作品との意見が多いが、俺は批判などネガティブな印象は受けず、むしろこれこそがキリスト教であり宗教であると感じた。
何もしていなくても、そうなるものはそうなるし、逆にどんなに頑張ってもならないものはならない。
今回の場合も、その運命の分岐点は何個かあり、それ故に後悔が生まれるが、自分たちにできるのは、信じること、祈ること、許すこと、そして、許してもらうことそれだけである。
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