うえ

奇跡の人のうえのレビュー・感想・評価

奇跡の人(1962年製作の映画)
5.0
とある本をきっかけに鑑賞。


ヘレンケラーとサリバン先生、2人の絆を描いた伝記ドラマ。
2人を演じた女優さんたち、その凄まじいまでの演技力は「すごい」なんてありふれた表現では伝えることができないほどの迫力で、終始圧倒されながら観ていました。

“愛とは何か”
サリバン先生にとってそれは甘やかすことでも哀れむことでもなく教えるということでした。
視覚障害というハンデを背負って辛い過去を生きてきた彼女だからこそ、三重苦のヘレンと真正面から向き合いあそこまで真剣になることができたのかもしれません。

サリバン先生はヘレンに「モノには名前がある」ということを教え、“言葉”という光を与えました。
僕たちの人生は“言葉”でできていると思います。
言葉を通じて、世界を感じ、知識を深め、物事を考え、気持ちを伝えています。すべての記憶も言葉でできています。
そういった意味で“言葉”という概念は、世界を感じ生きていく上で一番必要なことなのかも知れないなと。
ヘレンに「言葉=世界」を教えたサリバン先生は、まさに『奇跡の人』なのではないでしょうか。

ラストシーンは心に深く深く刻まれました。涙が溢れて止まりませんでした。
陳腐な表現になってしまいますが「世界は素晴らしい」と思い出させてくれました。

きっと一生忘れることはないであろう素晴らしい映画に出会うことができました。
ずっとずっと大切にしていきたい作品です。
うえ

うえ