五社監督女の性、啖呵
2009年4月21日 13時02分レビュー
五社英雄監督、原作宮尾登美子。
土佐の刺客、鬼龍院政五郎を仲代達矢。彼の娘花子に夏目雅子。
鬼龍院家の姿を追うドラマ。
抗争や男ギを全面に押し出す映画が多いなか五社監督は、特有の女達の性とサマを中心に描き続けてきた作家だ。
本作も仲代の凄みある目つきと怒号、岩下志麻の細い美しさ。
そして、夏目雅子の素晴らしい演技がみれる本作となっている。
僕は番宣のあの有名啖呵しか知らず、改めてレンタルしてみた。
夏目雅子が次第に闘争的になる姿、獰猛な父がのりうつり、仲代に対する夏目さんの受けの表情が実に素晴らしいと思った。
決して下品にせず、プライベートでは 静謐そうな夏目さんのしとやかさをぶったぎり、彼女なりの荒くれた気性がフィルムに焼き付かれてるように思った。
一見大袈裟にもみえかねないが、五社監督特有の緊張美の中、夏目さんの啖呵がとぶ!
夏目雅子の素晴らしさが飛び散る物語。
追伸
やっぱりそう思うが、仲代様はどこか知的な荒くれに見えてしまう。役所広司さんも同様わたしだけ?