カラン

ロスト・チルドレンのカランのレビュー・感想・評価

ロスト・チルドレン(1995年製作の映画)
4.0
冒頭で、本編からは独立したイメージでオープニングクレジットとなる。その際に、サンタが増殖するのが、映画の悦びのマックスか。澱んだ水に映るたゆたゆの映像で、一つでない、ことの恐怖を描く。サンタの複数化、自動機械、ケモノ。これがマックスであるというのは、恐怖に関してであり、この後をどう評価するかはそれぞれあるだろうが、物語の本編はオープニングの恐怖の強度には達さないかもしれない。監督本人がギミックに溺れたか。

『エイリアン4』(1997)は、世間ではあまりなのかもしれないし、事実1ほどでもないが、2よりも3よりも私は評価したい。だからこの映画『ロストチルドレン』(1995)も好きであるが、『エイリアン4』の方が良くできているかも。『ロストチルドレン』は、『エイリアン4』を、ピーター・グリーナウェイの『数に溺れて』(1988)や『コックと泥棒、その愛人』(1989)のようなどろっとした悪夢の舞台に移した調子である。ただし、グリーナウェイの作品ほどにはコアの領域を突き詰められていない。ワン(ロン・パールマン)とミエット(ジュディット・ヴィッテ)の性愛が中途半端である。

女子が不安であるならば、ヒーターが必要で、温めてやる必要がある。それはその通りなのだが、肝心なところで想像力が足りないかも。

レンタルDVDは、2chステレオ。映像はフォーカスが甘い、映画の内容並みに。
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