これは隠れた名作ですね。
罪と罪ほろぼし。
私は、彼の取ったあの行為を、罰ではなく罪ほろぼしであったと捉えています。
罰などという受動的なものではなく、彼が自らの意思で選択した、能動的な罪ほろぼしであったと、そう捉えたいです。
人間は死を目前にすると、何かこう、自分が犯してきた負の行いを、何かの行為によって帳消しにしたいと思うものなのでしょうか。
そういった思想が、宗教だとか信仰だとかいう概念を生む一因なのかなと思いました。
切な過ぎる結末に、重い余韻が途切れることがありません。
レビューを書くのに数ヶ月かかりました。