不安と不穏という概念を真空パックしてそのまま流水で解凍したみたいな映画だった。
ただただ自分が誰かに監視されているという妄想に取り憑かれた男が、不運なことに犯罪者に間違われる。
視点の転倒と脚本の切り取りの妙で「もしかしたら、この人が犯人……?」という疑念を観客側に残しているのは上手いなと思った。
最後の娘の問いかけだけが虚しく響く。
全体的に重めの劇伴がずーっとブンブンなっててそこはあんまり好みではなかったし、地味なのにめっちゃ痛そうな自傷行為とかあんまり見たくはないやつだったので、オススメはしないけど、良い作品ではあるよねと思った。