1984年『CINEMAだいすき!』で 「L'avventura 情事」に出会って以来、37年が経ちました。
晴れて今(愛の不毛三部作)がわたしの中で完結❗️
ミケランジェロ・アントニオーニ
「夜」
1980年代に多感な時期を過ごされたシネフィルの方々なら、かつて「CINEMAだいすき!」という映画番組が、読売テレビで深夜に放送されていた事をご存知かと思います。
この番組は1984年に放送を開始し、毎回ある一つのテーマを決めてそれに沿った作品を1シリーズ5本から6本程度選んで深夜の、しかも午前2時台(❗️)以降にノーカットで放送する、という蛮勇番組でした。
映画はスターのもの、監督はあくまで産業を支えるための技術者だと思っていた当時高校生だった私にとって、映画の(作家性)を初めて意識させた曰く付きの問題番組です。
なるほど年月を重ねた今の歳から思えば「マリアブラウンの結婚」のライナー・ヴェルナー・ファスビンダーや「メフィスト」のイーシュトバン・サボー、「愛の嵐」のリリアーナ・カヴァーニ、「ヴァーリア!愛の素顔」のニキータ・ミハルコフから「アギーレ/神の怒り」のヴェルナー・ヘルツォークなどのように、何人かのさして重要でない作家まで、この番組の推奨によって"名監督''という偽りのイメージを長い間、刷り込まれた例がないでもないのですが、10代の頃のわたしが映画を鑑賞する際、意識的であると否とにかかわらず、間違いなくこの番組が影響下にあったと思います。
放送目録の中でとりわけ印象的だったのがアラン・レネの「去年マリエンバートで」と、アントニーオニの「情事」
この「情事」に加え「太陽はひとりぼっち」、そして今回初めて観た「夜」で晴れて(愛の不毛三部作)がわたしの中で完結しました。
気がついたら37年。
三作品に通底しているのは、
短い不在は愛を活気づけ、長い不在は愛をほろぼす。
不毛も如何よう次第では、愛の(更新)にもなりうる、
といった所でしょうか?😊