<概説>
第一次世界大戦中のフランス人捕虜収容所にて。敵国の人間同士でありながら、そこでは捕虜と兵士の間に奇妙な絆が芽生えていく。人道主義から戦争を批判した、アップテンポなヒューマンドラマ。
<感想>
私は一応性悪説を支持する立場なのですが…
これほど生来の悪人はいないと叫ばれてしまっては、主義信条はともかくとしてその理想像に頷いてしまいます。
捕虜収容所にあっても笑顔を忘れず、お互いがお互いに敬意を払いながら人間としてあり続ける。
これを見事行動として実現できたなら。
彼等にとって性悪説はなんと脆いものでしょう。
私だってこんな風に在れるのならばこう在りたい。
諦観混じりの性悪説を持ちあげずに性善説を掲げたい。
「人間とはこうだ」ではなくて、
「人間とはこうありたい」と感じさせる。
なるほど。これはたしかに人類史に残るヒューマニズム映画の証明かもしれません。理想論に羨望を覚えさせるなんて、普通そうそうできるものでもありませんから。