レオ

ヒルズ・ハブ・アイズのレオのレビュー・感想・評価

ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)
3.5
砂漠の真ん中で車のタイヤがパンクし、立ち往生してしまった家族。そこに核実験の影響で生まれた食人族の魔の手が!というテーマ的にも倫理ギリギリ感のあるバイオレンスホラー。

本作は過去に作られたホラー映画「サランドラ」のリメイクだが、名作スプラッター「ハイテンション」を撮ったアレクサンドル・アジャ監督の手腕により過激にリメイクされている。こちらの方が人気も上のようだ。

オープニングに使われているのは本物の奇形児の写真らしく、特に倫理ギリギリ感がある。ただ、テレビとは違って自由な表現がタブーにならないのが映画というメディアの良さかなと実感する部分でもある。責められるべきは凄惨な歴史を作品の題材にするクリエイターではなく実害を与えた政府や軍等だと思うし。

作品自体の特徴としては、(特に序盤は)ジャンプスケアが多め。嫌われがちな演出だけど、実際のところしっかり驚かすにはショックシーンの前の雰囲気作りが重要なわけで、そういった点でこの監督は抜かりがなく、名手の域に達していると思う。特に音を利用して緊張感を煽る演出がめちゃくちゃ上手い。

結構構えて見てしまったけど、拷問シーン等のじわじわ痛ぶるグロテスクさは無く、主にバトルの中でスプラッター的な演出が使われるので、中盤の悲惨な展開にも関わらずどちらかと言うと爽快感がある感じの作品だったように思う。というかR18にしては優しめ。

印象に残るシーンとしては、主人公がヤバい箱の中に閉じ込められて脱出する場面。外から写した時の絵力が凄くて見入ってしまった。

ラストまでの40分は気持ちいいけど、食人族の襲撃までの前振りが割と長くてそこはちょっと退屈に感じたかな。でも良作。

■共通項目
脚本:☆☆☆
映像:☆☆☆☆
音楽:☆☆☆☆
役者:☆☆☆
キャラクター:☆☆☆
オリジナリティ:☆☆☆
個人的好き度:☆☆☆

■ジャンル項目(ホラー、スプラッター)
ビックリ度:☆☆☆☆☆
ドキドキ度:☆☆☆☆
グロ度:☆☆☆
(恐怖度:70)
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