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星の旅人たちのchihoのレビュー・感想・評価

星の旅人たち(2010年製作の映画)
4.5
見た事あるような気がしながら観ていて、ほぼ最後の教会で香炉振り飛ばしてるシーンで前にも観たことを思い出した。
そんなことはさておき、とても良い映画でした。
こういうことがたまに静かにどこかでホントに起こる。残酷だけどたどるべき道へ、主人公は導かれる。

息子がたどるはずだった巡礼の旅を、まるで何かに駆られるかのように引き継ぐ主人公。本人にもその理由はよくわからないけれど、旅の先々で息子の幻影に出会い、よくわからないながらも自分が間違った道を選んでいない事を確認できる。
主人公にとっての巡礼の旅は受難の旅であった。息子の遺灰を置いて歩きながら、自分が知り得たのに気づかなかった事に気づくからだ。
だが、ある事件をきっかけに、そんな個人的な受難を分け合う仲間がいる事に気付く。
旅を進めながら、主人公は自分が生きなかった生を、息子がたどるはずだった道をたどることで得る。
旅の終わりには、主人公の新たな道が見える。
おそらく息子が主人公と分かち合いたいと思っていた気持ちで。

というわけで、よく泣けました。
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