キャサリン

星の旅人たちのキャサリンのレビュー・感想・評価

星の旅人たち(2010年製作の映画)
3.8
再鑑賞

ものすごく久しぶりにみた。
映画としては安っぽくチャチではあるのだけれど、見終わった後の達成感や幸福感、納得感が清々しい。
ロードムービーの醍醐味的な、綺麗な風景・食事・旅の苦労全てちゃんと入っているので、サンティアゴの大聖堂に辿り着いた頃には「この旅ももう…」とこちらまで寂しくなる。

小学生の頃、たまたま祖父に連れられて世界の様々な宗教の巡礼についての企画展にいって、そこではじめてサンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼について知った。
以来、ずっとサンティアゴ巡礼は私の憧れなのだけど、
キリスト教徒でもないのになぜ?
日本にも巡礼道はあるのになぜサンティアゴなの?
巡礼の目的は何?
に対する明確な答えが見つかるまでは行けないなあ、と子供ながらに思っていた。

カミーノ達にはわざわざ死と隣り合わせのトレッキングというリスクをとるだけの目的があるべきだし、目的が特にないならノーリターンでリスクを取る理由を聞かれるのは当然かもだけど、
映画のように、ダイエットが成功できなくても、禁煙できなくても、小説が書けなくても、ただただそういう弱い自分を認めてあげる旅っていう理由でもいいんだろうな、なんて。
自分探しなんて、嘘みたいな大義名分よりも、自分を自分で認めて好いてあげる旅の方がよほど素敵じゃない?
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