2002年か。
すごく普遍的なテーマをかなり実験的な演出で描いてる。
現実か幻想かは今敏にとって永遠のテーマだったんだろうな。
現実と幻想を行き来しながらオーバーラップしあう複雑さを、銀幕のなかならではの自由さとファンタジーさでキャッチーに味付けし、没入感を作ってる。
スピード感がたのしいし、そこに掛け合わされる平沢進が壮大。
ほんとラストにバーンと音楽流れるのめちゃくちゃいい!
愛に翻弄される健気な少女?
最後の一言で覆される少女の自我?
最後いたたまれない…と思いきや、
そんなことないんだ、ああそうなんだ。感。
待ってよ、そんなに語っといて自己解決しないでよ!という気持ちもあるけれど、所詮他人のことなんかわかるわけないので、
結末に納得できなくとも、「これが千代子という人間にとっての生きる意味だったんだろう」ということで十分なのだと思う。
未完だからこそ魅力なんだ。
叶わないから美しいんだ。
一生のうちに叶わなかったから、死して尚、彼は彼女にとっての"生きる希望"なんだ。
的な、ね。
てかこのプロットの感じ、なんか見たことあるぞと思ったら、ヴィンセントギャロのブラウンバニーかな。話もテーマも全然違うけど。