改名した三島こねこ

幻の湖の改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

幻の湖(1982年製作の映画)
2.9
<概説>

お市を称する風俗嬢は愛犬の仇を討つためにひたすら走り続ける。彼女は見事男とのマラソンを征し、その身体に出刃包丁を突き立てることができるのか。日本映画史にキテレツな脚本によって名を残した、名脚本家橋下忍の珍作。

<感想>

橋本忍がこういう脚本が好きなのはわかります。

彼の後期作品である『八つ墓村』も古の物語がベース。この作品もサスペンス映画として見るのであれば、いきなり織田信長が云々というのもわからないでもない。

わからないでもない。ただそれだけ。

この話の突飛さには本当に肝を抜かれました。

あっちへふらふら。こっちへふらふら。

黒澤明監督と組んでいた頃の明瞭さはどこへ行ったのやら。お市は一直線にマラソンをしているのに、脚本はラビュリントスでも歩いているのかという迷走振り。

ネタにするにしても扱いにくい。さすが珍作。つらい。



ただし最後の方「もしやこれ『千年女優』の元ネタでは?」と察したあたりで爆笑しました。世の中何が教養になるかわかったもんじゃないです。