ペイン

復讐捜査線のペインのレビュー・感想・評価

復讐捜査線(2010年製作の映画)
4.3
メル・ギブソン版『グラン・トリノ』ないし『ラスト・ラン 殺しの一匹狼』。

ジャケと邦題だけ見たらどう見てもスティーヴン・セガール映画風の如何にもなハリウッド映画に見えるが、この映画めっちゃ暗いし救いがない。心霊映画としての側面もあるので、これは是非とも黒沢清監督なんかに語ってもらいたい1本。

メルギブは私生活のあれやこれやもあり2002年のシャマラン監督『サイン』以来の主演映画となったわけだが、本作は見事なカムバック作と言えよう。

映画全体としてはやや野暮ったさも感じるものの、『007』シリーズを“ゴールデン・アイ”“カジノロワイヤル”と2度も再構築させてみせた素晴らしき職人監督マーティン・キャンベルは『ブルータル・ジャスティス』に並ぶド渋なメルギブの魅力が引き出すことに成功している。死んだ魚の目でただただ復讐に取り憑かれたメル・ギブソンを捉えた70s風ポリティカルアクションとしてどうしても嫌いになれない1本。 
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