起立

17歳のカルテの起立のレビュー・感想・評価

17歳のカルテ(1999年製作の映画)
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ウィノナの憂いがちな瞳と対照的な狂気を放つ爛々とした瞳のアンジー。秩序と混沌の濁流って感じがする。

寓話・少女・社会・大人になること・真実・ダンス・モラトリアムと病とアンビバレンス。好きな人は本当に好きだと思う。

90年代後半発表の日本のファンタジー作品の中で、臨死体験を経た子どもたちがいかに大人になっていくかということを描いているものが見られる。ブレイブストーリーとか裏庭とか。本作品もそうで、「普通」の日常で生きていた主人公がある日突然「境界(この言葉も作中では特徴的)」を超えた別世界へ迷い込む。そこでは生活・自分・生と死・社会・人との関わり(おおよそこの社会で生きていくために必要な事項)と直面せざるを得ないような状況に置かれる。この劇的な体験の後に、子どもたちは大人になってゆく。
安全な社会が命や生活の危機を産まなくなった。消費社会はすべての人間を平等にお客様にする。それにより子供たちは主体性を失い、慢性的な不安と生きる気力を失う。やっぱりみんなもっといきいき生きるためには一回ぐらい追い詰められた方がいい気がしますね。ここの差大きいぞ。
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