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黒の怨(うらみ)のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

黒の怨(うらみ)(2003年製作の映画)
3.1
"歯の妖精"を見てしまったら最期殺される、という妖精伝説(+怨念)ホラー。

微妙に雰囲気が90年代の映画っぽく、大雑把な脚本だけど、妙に勇壮なオーケストラの劇伴に、終盤の怒涛の手に汗握る展開(いやそうでもないか?)に爆発+特殊効果と造り自体は悪くないと思う。
子役の男の子も演技が上手かったし。

歯の妖精、トゥース・フェアリーは、抜けた乳歯を枕の下に入れて眠ると翌朝には妖精がコイン(又はプレゼント)に交換してくれるという言い伝え。
乳歯→永久歯に生え変わる、人類なら通る通過儀礼なので様々な迷信や言い伝えがあるが、コインに交換ってのは西洋に多いらしい。

多分この映画、一種の通過儀礼と少年期の終わりを描いたホラーと言えなくもなく。 
12年前に歯の妖精(怨霊ミランダ)の顔を見てしまったがために、母親を殺され、自身は9年間精神病院に入院し、ずっと暗闇恐怖症を抱えて生きていたカイルと、ケイトリンの弟マイケル(暗闇を極度に怖がり不眠症に陥り入院中)は相似形。ふたりが共闘して同じ敵と闘うことで成長と過去の決別が出来たのだし。灯台での攻防戦はなかなか見応えあり。

普通にTVで放映されていても良いんじゃないかって感じのジュブナイルホラーでした。