Ryu

女王蜂のRyuのレビュー・感想・評価

女王蜂(1978年製作の映画)
3.6
昭和27年。伊豆半島の月琴の里の名家 大道寺家の娘 智子の婿候補として同家にやってきていた3人の男の内の1人が殺害される事件が発生。19年前に起きていた事件の調査を依頼されて大道寺家にやってきていた探偵の金田一耕助は過去の事件と今回の事件が関連していると踏む。

監督 市川崑×主演 石坂浩二の金田一耕助シリーズ第4弾。
ストーリーはいつも通りの“家”が絡んだ登場人物いっぱいの複雑なミステリーとなっています。終盤の真相を明かすシーンはちょっと感動さえ覚えたのですが、正直見せ場としてはそのくらいかな。なんかおどろおどろしさもあんまり感じなかったし、いつものミステリー色がちょい弱めのような気がしました。犯人の動機の根本もなんだか取ってつけたような感じがしました。
今作の特筆すべき点はストーリーよりも、そのキャスティングでしょう。前3作で重要な人物を演じた高峰三枝子、岸惠子、司葉子が再出演。これは監督である市川崑のアイデアらしく、これが中々おもしろい試みだと思いましたし、大女優 3人の演技合戦は見ものでした。そして、ヒロインには中井貴一の姉 中井貴恵。新人ということで、やはり上手いとは言えないかもしれないけど、周りがものすごい面子で、佐田啓二の娘 というプレッシャーもある中で、よく奮闘されていたと思います。若い男性陣には特撮出身者が多いみたいです。そして名優 仲代達矢の貫禄。ちょろっとだけ学生時代を演じていますが、さすがに無理ありすぎて笑っちゃいました。いつものメンバーは毎度のことなので割愛します(笑)。
シリーズ4作目ともなると、新鮮味はありません。でも いつものやつ を求めている自分もいて、そういう意味では、安定したおもしろさのある作品でした。
Ryu

Ryu