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ラブド・ワンズのbeachboss114のレビュー・感想・評価

ラブド・ワンズ(2009年製作の映画)
3.0
あーあ、変なの見ちゃったよ。これ作ったヤツ、完全に頭おかしいわ。猟奇的マジキチ。

にもかかわらず、映画的テクニックやビジュアル・センスは冴えているので始末が悪い。

こういう場合、どっちに評価すればいいのやら。ほめるべきか、酷評すべきか。

喩えて言うなら「イケメンで頭も良くてスポーツ万能なサイコ」と捉えるか「サイコだけどイケメンで頭も良くてスポーツ万能」と捉えるかの違い。要は「美人で聡明なナイスバディだけどメンヘラでキピガイ」と結婚を前提に交際できるかってこと。

そこは、あくまで自己責任。ヤケドするのを覚悟で、一夜限りのカラダの関係と割り切って鑑賞するならまだしも、二回目以上は無理。ましてや、他人には絶対にオススメできない。友人なら体を張って止める。

ブラック・コメディとして見たら笑える箇所は結構あるものの、描写がエグすぎて引いてしまう。「プロムに誘って断られたイケメンを拉致監禁」「過保護パパと一緒に楽しそうに拷問」「行方不明者たちの拷問思い出アルバム」「地下には得体の知れない生き物が飼われている」「脱出して木の上に逃げた獲物を石を投げて落とす」「頭にドリルで穴を開けてお湯を注ぐ」「慣れてないのでこぼします」とまぁ、文字やトークで説明すれば「笑ってください」と言わんばかりの展開なんだけど。

随所に創意工夫とセンスが溢れているので、もっと素直にコメディに寄せていれば第2の「ショーン・オブ・ザ・デッド」になれたかもしれないのに。そこは「狂気を秘めた才能」と「才能ある狂人」の違いか。

いずれにせよ、耳で聞いたり離れた所から眺めている分にはいいが、至近距離では関わり合いになりたくないタイプの映画。ていうか、もう「あっち行け」って感じ。
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