ろく

機動警察パトレイバー2 the Movieのろくのレビュー・感想・評価

3.0
パトレーバーと言いながら出てくるのは、ほぼおっさんとおばさん。そう、泉野明なんかさわり程度。これはパトレイバーの世界を書きながらもそこに押井のこれでもか「世界観」を魅せる作品だ。

でもねえ、正直、昔見たときほどの感動は得られなかった。それは僕が年をとったから。そして世界が変わったから。うん、どちらなんだろうと思って見ていた。いや国家や戦争のことについて語る押井の気持ちもわかるのよ。そしてそれに対し今の人たちの何も考えないことにいら立っていることもわかるの。でもわかればわかるほど、僕は離れてしまう。それは僕が「それほど世界に対し怒れなくなった」ことも原因なんじゃないかなと思う。これはあくまで僕のせいだよ。広い世界に興味を示さず、狭い世界にこだわる。それは非常によくないのかもしれないの。でも僕にとっては「そっちのが大事」なんだ。

だからか、この映画はどうにも対岸の火事で見てしまった。昔見たときのノートがあったので開いてみたらあまりにも僕の感想の熱量の差に驚いた。それだけ僕は「劣化」したのかもしれない。

でも劣化を最近は受け入れている。そしてその中でシャンと生きようと思っている。そう思うと劣化もなかなか悪いものではない。
ろく

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