ムック829

浮草物語のムック829のレビュー・感想・評価

浮草物語(1934年製作の映画)
3.7
旅の一座の座長・喜八には愛人おつねとの間に一人息子がいた。4年ぶりに二人のいる町にやってきた喜八は喜びに満ちていたが…。

アマプラの視聴期限が迫っているので鑑賞。90年も前の作品を気軽に観れるというのはありがたいですね。
サイレントの白黒映画ではあるけれど、人々の表情や情景からやわらかい雰囲気が伝わってきて素敵です。
また活弁によって十分に理解出来る内容になっていたのもありがたい。

今でこそ芸人はステータスがあるけど、当時は恥ずべき仕事だったが故に父親とは言い出せない喜八。
そんな喜八の葛藤が描かれていて、もどかしくもあり、いじらしくもあり。
ただ彼が暴力的だったり今の妻への態度が酷かったりして、そこまで感情移入しきれず残念。
でも息子を思う親の気持ちは伝わってきたし、なにより安易なハッピーエンドではないのが味わい深くて良かったです。
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