アキラナウェイ

生き残るための3つの取引のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

生き残るための3つの取引(2010年製作の映画)
3.7
ファン・ジョンミン兄貴にアナゴさんにマブリーときたら、観るでしょ?

韓国では2010年公開で、皆さま若くてビックリ。特にマブリー。最終形態進化前のその身体は今より一回り小さいぐらいの、一般成人男性サイズ。中学生ぐらいからあのデカさかと勝手に思っていたから、意外過ぎて笑う。

連続少女暴行殺人事件の犯人逮捕に焦る警察は、秘密裏にチェ・チョルギ刑事(ファン・ジョンミン)に犯人のでっち上げを指示する。チョルギは元暴力団の不動産会社社長チャン・ソック(ユ・ヘジン)に、実際は犯人ではない男に自白を強要する様、恐喝を依頼。陰で賄賂を貰っている悪徳検事のチュ・ヤン(リュ・スンボム)はチョルギを不審に思い、事件の調査を始める—— 。

チョルギもソックもヤンも、皆んな叩けば埃が出てくる胡散臭さ。

3人の男達、全員悪人。
正義など微塵もない。
どこまでもドロドロとしたBad Deal(悪い取引)。

可哀想なのは犯人にでっち上げられた男。半殺しにされ、知的障がいである妻と娘の事を思い、金に目が眩んでやってもいない殺人事件の犯人を名乗らされるんだから気の毒過ぎる。

警察と検察の騙し合い、貶め合いがひたすら続き、感情的に大声で怒鳴るシーンが多い。韓国語って相手の感情を逆撫でする言語なんだと痛感する。

劇中、唯一の良心と言えるのは、マ・ドンソク演じるチョルギの部下。

終盤、チョルギの暴走を止めようと悲劇に巻き込まれてしまうのが辛い〜。

建設途中のビルでの、エレベーター落下シーンからの張り詰めた空気の中でのアクションは見応えあり。

ただ、そのクライマックスに至るまでは、ひたすら悪い奴らの駆け引きばかりに終始するし、主役かと思わせるチョルギはにだけ焦点が当たる訳ではないので、観ている側としてはわかりにくいかも?

今や韓国を代表するスター達の若かりし頃もチェックしておきたい韓国映画ファンにはおススメ。