シミステツ

リトル・ダンサーのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

1980年代、炭鉱ストライキの最中、父親の影響でボクシングを習ってた少年ビリー・エリオットが、ボクシングジムの隅で開かれていたバレエ教室に魅せられ、才能を見出されバレエダンサーを目指していくストーリー。

バレエの本を盗むシーンも少年らしかったし、大好きなものをもっと知りたいという根源欲求ってあるよなあとしみじみ。

バレエに喜びを感じ軽快な音楽とともに坂道を駆けていくシーンはビリーの心踊る心情が表れていて象徴的。兄にバレエを反対され苦悩を表すタップダンスでも心の葛藤やモヤモヤが表れているしシーン展開、要所で印象的な音楽とダンスが展開されるのはおもしろい。

バレエ教室にこっそり通ってたビリーを連れて帰り、男はバレエなんかしない、サッカーとかボクシング、レスリングだという父。

「抵抗したら?」というデビーの母(先生)は素敵だし、素質を見抜いてロイヤル・バレエ入学を薦めることで変わっていくビリー。ゲイの友だち・マイケルとの友情、父親にバレて踊りを見せつけるビリーのシーンは鳥肌が立ったしうるっときた。息子の姿を見てスト破りの列に並ぶ父。

夢を追う少年ビリー。最後は親子愛につながって、湿度がありながら、それでいて軽やかで、濁り、きらきら光る、そんな映画だった。

最後父親が坂道を走り、受かったと伝えるところも愛に溢れていたし、バスでお別れする時の兄の「I miss you」は痺れる。

「ビリーの夢を叶えてやりたい」
「才能を伸ばしてやるんだ」

「踊っている時はどんな気持ちが?」
「さあ…いい気分です。最初は体が硬いけど踊り出すと何もかも忘れてすべてが消えます。何もかも。自分が変わって体の中に炎が。宙を飛んでる気分になります。鳥のように。電気のように。そう…電気のように」


●「piss off yourself(消えろ)」冗談言い合うシーン

●亡くなった母からの手紙を読むシーン