にゃんこむ

リトル・ダンサーのにゃんこむのレビュー・感想・評価

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.5
天才的なバレエの才能を持つ息子と凡人な炭鉱夫の父。

○1984年のかつて炭鉱で栄えた町に住む少年ビリー。炭鉱夫で荒っぽい父に言われボクシングを習っていたが、ある日隣の区画で女子バレエの練習を見てバレエの虜になる。彼の才能を見出し協力的なバレエ講師とは裏腹に、父は厳しく支配的なため、バレエを習いたいとは言えず、ボクシングをサボりこっそりバレエのレッスンを続ける日々だったが……。

バレエの才能を持って生まれた少年。
けれど不況な炭鉱に勤める父が稼ぎ頭の貧困家庭に育ったため、素直にバレエをやりたいと言えず、けれどもバレエをやりたいという想いは消せない。

ビリーは文字通り天才。けれども父は閉鎖されるかもしれないと言われるくらい採算の合わない炭鉱に勤めており、給与もお察し。何も才能のない凡人。
父親からすると、ビリーは理解不能の存在だったと思います。女がやるようなバレエなんぞやりがたって、女々しいやつめ、なんて。不良の兄の方が、叱咤しつつも父からするとはるかに理解できる存在なはず。

そんな相反する二人。
父から反対されて、バレエの道を閉ざすんじゃないかと思ったビリーも、才能だけではなく熱意を持ってバレエに取り組んでいたため、反対されても折れない。
父も父で、反対しつつもビリーの才能を目の前にして素直に感動し素直にその才能を認めます。

私は凡人なので、ビリーの父に感情移入してしまいます。例えば自分の子供が、私には理解できない分野を志したいと言ったときに、素直に応援できるだろうか……?この映画の父のように、私は行動することができるのか……?
そう自問自答しながら見ていました。
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