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春夏秋冬そして春のfilmtravelerのレビュー・感想・評価

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)
4.3
キム・ギドク

周王山国立公園内 注山池

春 湖に浮かぶ寺。老僧と子供。
普通の少年は普通に自然の中で遊び、普通に生き物と戯れ、戯れの中で、普通に魚、蛇を殺めてしまう。
夏 普通の少年はある日、静養にやってきた少女に、普通に恋をする。当然の如く、普通に彼女を追いかけ、寺を出る。そして、普通に過ちを犯す。
秋 犯した罪の重さと整理できない怒りを背負い、必然の如くお寺に舞い戻る。お経を床板に掘り続けると刑事と共に寺を去る。
冬 刑期を済ませ流れるまま再度寺に戻る。雪と氷の世界の中で、老僧(焼身自殺)を供養し心と体を鍛錬し始める。ある日、1人の女性が子供を置いて立ち去る。
そして春 赤子は大きくなりかつての自分のように自然の中で遊び始める。
生きるとは石を体に巻きつけられたまま仏像を抱え崖を登っていくようなもの。業を背負いなから生まれ、そして、季節が繰り返すように死ぬ。