アケオ

月に囚われた男のアケオのネタバレレビュー・内容・結末

月に囚われた男(2009年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

基本的に好きな話なのですが、この作品の肝となる舞台設定の1点が納得できないので気持ちよく「いい作品だった」とは言えないもどかしさがあります。

何が気に入らないかと言うと、クローンを使い捨ての労働力にすることの合理性についてです。
作中では大量のクローンの存在が示唆されますが、それらを低コストで用意出来なければいくら倫理観0の悪徳企業でもそんなことしませんよね。
この場合のクローンとは我々の知るそれではなくある成長済みの人間の肉体の複製を作ること(あるいはそれに近いぐらいの即席性)でないと成立しないと思うのですが、作中の技術レベルでそれが可能だとは思えません。
個人的な感覚ですが、それが可能なのは近未来というよりはおとぎ話に近い方のファンタジー世界だと思っていますし、もし可能なら3年間の寿命付きクローンを働かせるより遥かに効率的な方法がある気がします。

上の理由から、クローンの悲哀を描きたいが為の都合の良い(=現実的ではない)設定だなという気持ちが常にあってあと一歩のめり込めませんでした。
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