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るろうに剣心のシネラーのレビュー・感想・評価

るろうに剣心(2012年製作の映画)
4.0
「るろうに剣心」自体は原作を全巻
揃えている位に好きな作品ではあり、
その実写映画シリーズも完結との事で、
シリーズ第1作を再鑑賞。
やはり、
公開当時に劇場へ行かなかった事を
後悔する貴重な実写映画だ。

かつて幕末に人斬り抜刀斎と呼ばれた
緋村剣心が、明治の世に不殺を誓い、
自身の過去の因縁と戦う物語だが、
本作は原作序盤での"東京編"を基盤
にした内容となっている。
原作からの改変はあるものの、
登場人物達の出会いと剣心の流浪人
としての葛藤を上手くまとめた印象を受けた。
キャスト陣においては、
剣心を演じられた佐藤健をはじめ、
違和感なく熱演されており、
悪役である武田観柳(香川照之)や
刃衛(吉川晃司)も素晴らしかった。
アクションは本当に凄まじく、
その地形を生かしてのリアルな戦闘は
邦画のトップクラスだと思う。
一人対多人数を描いたアクションは、
無双ゲームのような爽快感すら感じさせる。

只、個人的に原作で一番好きな人物が
斎藤一なだけに、
牙突の場面が滑稽で残念に思った。
キャラクター自体も冷徹な一匹狼の原作
よりも熱血漢な印象で、
違和感が無い訳ではなかった。

単体の映画として良く纏められた
侍アクション映画だと思う。
ジャンプ漫画の凡庸な実写ではない、
見応えある作品だった。
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