自殺寸前だったリッグスが父になり、マータフには孫ができる。シリーズを追いかけてきたファンにとって、これほどアツい展開はないのでは。
歳を重ねたことでしか語れないドラマがある、と言うのは大げさかもしれませんが、シリーズを重ねるごとに2人が歳をとり、また絆を深めていくさまに大きな魅力がある作品です。
警部に昇進させられる場面の楽しいやりとりは、円熟を感じさせるおもむきすらあります。
本作はシリーズでも抜きん出て見せ場も多い。冒頭から火炎放射器を振り回す装甲男という、動機も狙いも謎すぎる犯人相手にコンビが大立ち回りを見せます。
開始10分もせずガソリンスタンドが大爆発するほどの”クライマックス”が見られる映画もそうそうありません。その後もハイウェイでの凄まじいカーアクション(『ワイスピ』シリーズのよう!)、ジェット・リーとの肉弾戦など見所満載です。
きょう7月5日は悲しいことにリチャード・ドナー監督の命日となってしまいました。
メル・ギブソンとダニー・グローヴァーの追悼コメントからは、彼らがリチャード・ドナーと家族同然の付き合いをしていたことがうかがえ、本作のエンドクレジットでも現場のアットホームな雰囲気を垣間見ることができます。
作品が「We are family」という台詞で締めくくられたことも当然のように思えてきます。
それ故に5作目はぜひリチャード・ドナーにメガホンを取ってもらいたかった。
リッグスの娘とマータフの孫がバディを組むような作品になったかもしれないし、年老いた2人の「今」が映しとられることは感慨深いものがあったに違いありません。
5作目の制作がストップするかどうかは分かりませんが、何にせよ家長の不在は残念でなりません。R.I.P.