Jiyong

未来世紀ブラジルのJiyongのレビュー・感想・評価

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)
4.0
好き。
不条理と皮肉の連続から起きる笑いは、カフカを愛する人間からしたら至上でしかない。
社会風刺もオチも好き。ただ少し長いかな。
過度な外見至上主義(若さ至上主義)に溺れる上流階級のマダム達や、何気に1番トンチンカンな主人公、情報規制が激化しているくせに統制が取れていない社会に対する批判は痛烈で、恐ろしすぎるが故に笑えてくる。(極端が面白いメカニズム)
裏腹に、映画の軸となる「ダクト」を自在に手懐け、社会のルールをガン無視するデニーロ演じるタトルは自由で楽しそうだ。この映画でいちばん魅力的なキャラクターだと思う。

美術は相変わらず奇想天外なんだけど、あまり突飛なことはしていないように思う。発想は凄いけど。

さすがフェリーニを愛しキューブリックに認められた男は違うね。何度でも観たい映画。
Jiyong

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