モ

HANA-BIのモのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
4.3
孤独は1人では生まれない。
誰かといたから、孤独が生まれる。

人間は孤独を埋めるために人とめぐりあうけれど、それがなくなったときの絶望を想像すると恐ろしい。

武のカップル映画、Dollsもあの夏、いちばん静かな海も、HANA-BIも根底に孤独への恐怖があるように感じた。特にこの作品はそれが如実に出ていて苦しくなった。精神にダメージを与えてくる作品はいい作品だ。

作中に出てくる武のアウトサイダーアートが、主張しがちな久石譲の音楽の強さを緩和していて、絵の通り華を添えているのも良かった。

主人公の西が、自分の周りの人間にだけは心から幸せを願っているのが、ささやかな行動からみえた。言葉ではなく画面の小さな情報だけで、それが伝えられるのが流石としか言いようがない。

武の凄さが詰まった映画だと思ったので、
たまに観返してわからせられたいが、観ると辛くなるので観返せないやつ
モ