camuson

ミツバチのささやきのcamusonのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.4
スペインというと温かいイメージがありますが、
寒々とした乾いた枯れた内陸の村が舞台です。
そんな寒村にも、娯楽として映画がやってきます。
公民館風の石造りの建物に子供も大人も倚子を持ち寄り、映画が上映されます。
そこで映画「フランケンシュタイン」を見た少女の物語です。

特に日本の映画に顕著なのですが、
往々にして子役が「子供」を演じてしまうことが多いところ、
本作にはそれがまったく感じられません。

子供たちの格好も、大人のミニチュア版といった風で、
子供らしい服とか着てないんですよね。
キャラクターがプリントされたシャツとか、
ランドセルとか、黄色い帽子とかの子供を示す記号がない世界。

そのことが、逆に、寒く、枯れて、乾いたシックな世界の中で、
子供らしいちょこまかした体の動きを際立たせていて、
心が少し温まる感じで、不思議な対比になっています。

で、枯れ木、枯草ばかりで、花らしい花もない世界で、
なぜか親父が養蜂をやっているというのが、
また、何とも不思議な取り合わせで、
不思議な雰囲気を醸し出しているのですよね。

主人公は、最初は男の子かと思ったのですが、
おとなしいけど秘めてるものがある、
黒髪で黒目の大きいかわいい女の子です。
姉は金髪で大味な感じ。

アナかわいいよアナ。
アネ(姉)そうでもないよアネ。
camuson

camuson