ゆず

ミツバチのささやきのゆずのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.0
窓枠がハニカム模様になっており、父親は養蜂をやっている。まるで本作のために建てられたような家だった。

ビクトル・エリセの長編第1作。画面にFinと出た瞬間、「いやさっぱり分からん」と呟いてしまった。いやさっぱり分からん。
光と影の美しさとか、幼い目から見た日常の瑞々しさとか、アナちゃんが可愛いとか、アナちゃんが可愛いとかアナちゃんが可愛いとか…。
良い映画とは思うものの、何を言いたい映画なのかはまったく理解できなかった。

そもそも独裁政権下の言いたいこと言えない状況で撮られた映画らしく、分かりやすい説明は皆無。しかしそんな逆境を跳ね除けて作られたことには意義があるし、エリセ監督が巨匠と呼ばれる所以なのかもしれない。
きっと、娘たちに父親が毒のあるキノコを教えるシーンは、「言いたいことも言えないこんな世の中じゃPOISON」と伝えたかったのだろう。

そんな風に、本作に込められた思いを知るには鑑賞者に教養が必要で、私には教養がないので表面だけ見て「さっぱり分からん」と呟くしかなかったのである。
ゆず

ゆず