30年ぶりくらいに観た。当時はレンタルビデオでの鑑賞だったが、この名作をスクリーンで再び観れた機会に感謝。冒頭のシーンで当時受けた衝撃を再び感じた。
50年ほど前の作品だが、今見ても色褪せぬその圧倒的な美しさとアナ•トレントの存在感に改めて深く深く感動を覚えた。
カメラという他者の視点における描写でありながら、アナの心の動きを言葉なくして描ききる表現力。
そして、生命/死という人間の、そして映画の根源的なテーマを、人造生命であるフランケンシュタイン、死を意識することなく働き続けるミツバチ、そしてまだ死を理解できない子どもを紡ぐことで物語を生み出す構築力。
ミツバチのささやきは大人には届かない。
理解の、論理の、届かない世界に手を伸ばし、その真髄を掴み取ろうとするビクトル•エリセの姿勢に改めて脱帽する。
紛れもなく映画史上最高傑作の1つである。