2019年の地下鉄運賃値上げに端を発するチリの民衆による政府への抗議運動を追ったドキュメンタリー。新年早々いい作品を見た。ここにまさに民主主義がある。
リーダーもイデオロギーもなく、ただ社会の問題と生活の改善、女性の権利獲得など、最低限の正義を訴えかけて民衆が集まり、活動した。内戦にまで発展せず、憲法改正の制定議会の開催まで行きついた民衆の力の素晴らしさ。制定議会のメンバーもどのように選ばれたのかは明らかにされなかったが、分け隔てなくフラットな人選となっていたのに驚いた。新たに大統領も左派が選ばれた。
鑑賞後気になってその後のチリの動向を調べてみると、新憲法は2度国民投票で否決されている。さまざまな課題が噴出しているようだ。民主主義はやはりなかなか困難な道のりである。