Antaress

山猫のAntaressのレビュー・感想・評価

山猫(1963年製作の映画)
5.0
圧巻ーーーー!
貴族の血を引くルキノ・ヴィスコンティ監督が本気で貴族を描いているから本当にすんごい!
もー、庶民ですみません、て感じ( ̄▽ ̄)

全体の3分の1が舞踏会シーンで、そのシーンのエキストラの3分の1が本物のシチリア貴族って、平民のあたくしはひれ伏すしか無いわ。
そりゃガチ貴族なら舞踏会のマナーを教える必要が無いものね。それに貴族オーラも出ているだろうし。

撮影の期間は俳優、スタッフ、エキストラの貴族達が集まり、シチリアはお祭り状態だったとか。

役者達が扇で優雅にパタパタ…と言うよりマジで仰いでいる様に見えるのは、ヴィスコンティの拘りで照明を使わず燭台の蝋燭だけで光源を取っている為リアルに暑いからなのだそうです。
クラウディア・カルデナーレの美しいお顔やデコルテに汗が滲んでいるのも演出ではないのですね。

また普通はこう言った出演者が多い映画では衣装部から衣装を借りるものなのだけれど、本作では全ての衣装を作ったのだとか。
そんな監督の美に対する探究も素晴らしい!

それにしても衣装だけでどれだけお金掛かってるんだか。
ドレス大好きな自分は画面の端っこに写るエキストラの衣装ですら気になって字幕を読み損ねたり…なので映画館に2回観に行きました。

ぶっちゃけストーリー的に舞踏会のシーンはあんなに長くなくても良いとは思うのだけれど、自分的に舞踏会だけをループで見ていたいくらい好きな場面なのです。
衰退して行く貴族社会への哀悼を込めたシーンだと思うと切ないものがありますね。

あとアラン・ドロンは監督の好みなのね〜
負傷して眼帯姿のドロンはとてつもなくエロいです。
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