櫻イミト

山猫の櫻イミトのレビュー・感想・評価

山猫(1963年製作の映画)
2.5
タイトルの「山猫」とは主役となるシチリアの名門貴族サリーナ公爵家の紋章であり、また、山猫の気高さと生態環境が当時の貴族の例えにもなっている。映画は貴族1860年代のイタリア近代化の中、没落へと向かう貴族の心の移ろいを描く。
貴族出身のヴィスコンティ監督が本物の貴族社会を描いたという事できらびやかなデティールには説得力を感じる。だが本編の多くをデティール描写にさいているため、物語のボリュームの割に上映時間が長く感じてしまった。貴族社会を知るという意味では貴重な作品だが、人間ドラマとしては主人公に変化がなく面白味は少なかった。完全復元版(187分)を鑑賞。
※「地の塩」とは社会のために尽くして模範となる人のたとえ
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