ちろる

白夜のちろるのレビュー・感想・評価

白夜(1957年製作の映画)
3.8
路面に反射する雨露や街角のネオン、街灯の夜の光の陰影。
そんな夜の光に包まれて純粋に1人の男を待ち続けるナタリアに恋をしたマリオ。
豪華絢爛なドレスもお屋敷も出てこないけれど、マリオ役のマルチェロ マストロヤンニはうっとりするほど美男子で、マリア シェルのお人形のような可愛らしさでもうヴィスコンティ作品の美は網羅されているのかもしれない。

ただの一目惚れじゃねーかと突っ込みたくなるマリオにも、なんであのよくも、わけわからんおじさん好きになるんだ?と質問ぜめしたくなる不思議ちゃんナタリアにも私的には全く共感し難い主役2人ではあるけれど、ほぼ夜だけを舞台に繰り広げられるお互いの恋煩いを観ていたら、大体この世に存在する恋やら愛やらってこういう感じでなんとなく成り立ってるのかもな。
ストーリーが素晴らしいというよりは男の身勝手さと女の子ややこしさをとことん突き詰めてからシンプルに白夜にのせて描いた大人のための切ない恋のお伽話としては楽しい。
が、しかしなんとなくナタリアがあの後幸せになれるとは思えないと思ってしまうのは私だけ?
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