JohnDoe

リアリティ・バイツのJohnDoeのレビュー・感想・評価

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)
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悩める若者の参考書。青春映画。

自分が何者かもわからずそれでもお腹は空く毎日の中で、やりがいのある仕事、生きがいのある人生を求めてもがく若者達。
今の自分だからこそ刺さることもあるとは思う。何回も胸が苦しくなった。

ただこの映画は参考書だとしても教科書ではない。トロイやリレイナに自分を投影して見ていた若者達に、人生のお手本や模範解答は与えられない。
自己の確立に関して言うとトロイもリレイナも答えは出ないままで終わっている。友情よりも愛を、ビジネスマンよりもバンドマンを選び、本当の自分を理解して愛してくれる人とお互い結ばれた。めでたいし素敵なお話だけども、愛でお腹は満たされない。
そういう意味で、この映画は私達に寄り添ってくれている反面、フィクションならではの方法で現実の厳しさを教えてくれていると感じた。まさにリアリティバイツ。

答えを求めてこの作品を観ると迷ってしまいそうになるから、もっと大人になってから観るとまた違った楽しみ方ができると思う。


ふたりの"I don't know"が印象的だった。たぶん大抵のことは誰もわからないんだろうと思わされた。



イーサン・ホークもウィノナ・ライダーも美しかった。二人の会話のシーンがみれただけでも満足^ ^
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