YasujiOshiba

リング2のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

リング2(1999年製作の映画)
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アマプラ。『らせん』が佐藤浩市の演じる解剖医の錯乱に付き合うサイコホラーだとすれば、『リング2』のほうは、中谷美紀が依代となった理系の影ある美女に案内される怨念屋敷巡りってところ。

いい味だしてるのは、なんとも不気味な味を出している刑事役の石丸謙二郎と、マッドサイエンティストもどきの精神科医を演じた小日向文世。この二人が前半と後半をみごとに支えてくれてる。いいよね、こういう役者さんがいるっていうのは。特別出演の松嶋菜々子と真田広之は、登場するだけでリングのシリーズだとわかる。まるでブランドイメージ。

うれしいのは呪いのビデオを売りにくる女子高生。演じるのは深田恭子。彼女がビデオのなかで恐怖の記憶に首を振るシーンは最高。たいしたトリックではない。でも文脈がある。そしてフォトジェニック。だから怖い。おみごと。

プールという発想もよい。ラストがプールで大騒ぎといえば、『グレムリン』(1984)とか、その前ならクローネンバーグの『シーヴァーズ』(1975)なんかを思い出す。惜しむらくは、グレムリンの大どんちゃん騒ぎには至らず、クローネンバーグ流のエロティシズムがほとんどないこと。せっかくのプールなのに、小日向文世が飛び込んでもつまらないじゃんね。もちろん中谷美紀はちゃんと濡れてはくれる。でも撮り方にどうにもエロスがない。

ホラーはエロスとタナトスなんだけどな。これは仲間由紀恵ちゃんに期待するしかないかな。『リング0 バースデイ』は未見なんだけど...
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