友人家族たちの旅行中、セピデーは独身の友人アーマドと娘の幼稚園の教師エリを引き合わせる。しかし、浜辺でエリが行方不明にり、やがてエリには婚約者がいて、恋愛目的の旅行ができる立場にないことがわかる。その婚約者が現れるが、全員が婚約者の存在は聞いていないと嘘をつく。
アスガル・ファルハーディー監督作品はこれが３作目の鑑賞。
いつもながら、日常生活の中で人間が引き起こしてしまう悲劇を淡々と描いている。
あまりに冷酷でまどろっこしい展開に、観ていて心がざわざわして居心地が悪くなってしまう。
数日間のバカンスの中、小さな事故が悲劇を呼び、ちょっとした嘘が人々を泥沼に引きずり込んでいくのだが、生々しい日常会話がリアリティを膨らませて、辛さも倍増していくのだ。
結局、セピデーは良心の呵責に苛まれたまま生きていくことになるし、婚約者のアリレザはエリに裏切られ、自信を失い生きていくことになってしまう。
ストーリーとは関係ないが、イランの人たちの休暇や生活、会話ってあんまり日本と変わらないんだなーって、けっこう驚きだった。
それから、セピデー役のゴルシフテ・ファラハニはどこかで見たと思ったら、「ワールド・オブ・ライズ」のアイシャだった。これも発見。
