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探偵物語のどーもキューブのレビュー・感想・評価

探偵物語(1983年製作の映画)
4.0
優作、薬師丸の探偵ごっこ



1983年、原作赤川次郎。製作角川春樹。音楽加藤和彦。脚本鎌田敏夫。監督根岸吉太郎。



2013年の大ヒットドラマ、「あまちゃん」。一見、あまさんになる的な地方発信ドラマになると思いきや、アイドル、80年代、芸能界を丸ごとすっぱ抜き、青春爆笑家族物語に仕立てた脚本家

宮藤官九郎!

その「あまちゃん」レス現象から、私は劇中の薬師丸ひろ子レスからラブにそれからモア薬師丸に変わり、YouTubeで薬師丸さんの歌を求めてしまっていました。CDも購入。クドカンにやられたというのもあります。

そこからいつもの関連鑑賞という事で一回見たけど、もう忘却してしまった、松田優作と共演の本作。本作うちのビデオ屋で150回以上貸し出しされた殿堂作品になってましたよ。

久々、ビデオ屋二軒ハシゴして借りました。



物語自体は、本当にありふれた痒いような筋書きでございます。普通もいいサスペンスです。若き大学生のお嬢様に薬師丸さん。冒頭からけだるそうなスーツに身をつつむ松田優作がつけてきます。

物語は、そこにひそんだとある殺人。そこから逆転探偵物語、探偵ごっこが始まった、みたいなお話。

本作見直して、ラストからぐっと良くなるんですね。

撮影仙元誠三さんのカメラですが、まあ引きの絵が多い事、本格主演の相米監督の「セーラー服と機関銃」よろしく、まあまあ引きの絵が多いんです。バストショット、アップは、本当に数カットです。まあこれが戦略的といえばそうなんですけど。

監督根岸吉太郎さんなんですが、なかなかのフィックス具合でワンフレームに閉じ込めようと画作りもキツキツでございます。恐らく「製作日数少なかったんじゃないのか?」と心配するほどワンフレームで閉じ込めようとしてます。

なんで俳優がアップ周辺になると観客は、グーッと集中するんです。役者の演技や表情に。

なんでラスト周辺の素晴らしい長廻しが浮き出します!

薬師丸さんと優作のいわば、最後の部屋のシーンの長廻しシーン必見!

これは、根岸監督の「遠雷」でも見られた長廻。必殺技ともみれます。俳優達の心情吐露を最後にぶつける。根岸監督の撮り方だと思います。元々「遠雷」のラストの森本レオ、ジョニー大倉の素晴らしさに繋がります。

音楽サジスティックミカバンドの加藤和彦さんのスコアも良し。

勿論ラストは、薬師丸さんの歌が、ラスト付近から流れはじめます。ある一頃のトレンディードラマのような手法。

名曲「探偵物語」です、でもね、たぶん、きっと素晴らしい曲です。作曲大瀧詠一、作詞松本隆。

しかし凄いですね、主題歌歌って、主演俳優でというこの手法。角川映画の手法は、本当に素晴らしい時流を巻き起こしたんですよね。

原作の赤川さんも映画の為に書き下ろしたそうですからね。

正直中盤以降の探偵する事件の下りが余計にみえるほどどうでもよくなり、ラスト一歩手前の薬師丸、優作のラブ成就に盛り上がりがグーッとやってきます。

探偵物語は、二人のラブロマンスを盛り上げる為だけのつまらない事件のように さえ 見えます。

そしてそしてここで出てくる共通符合が、「飛行場」と

「脚本家鎌田敏夫」

でございます。鎌田さんは私の大好きな脚本家ベストスリーに入る方なんですが、ラスト飛行場なんですね。鎌田さんのか?原作赤川さんなのか?わかりませんが、
飛行場は、鎌田さん脚本の「男女七人夏物語」でもラストは、飛行場です。

私は鎌田さん、飛行場でつらい別れがあったんかな?とさえ勘ぐるほど二回目の登場で、今回本作でも素晴らしいラスト胸キュンが待ってます!

そう、有名な二人のあのシーンですね、必見!薬師丸、優作ファンならもう言わずもがなですね!

いやぁとってもソフトな味わいながらも、素晴らしい角川パックムービーに満足したしだいでした。



さて
優作と薬師丸の探偵ごっこ
探偵物語是非ごらんください!

でもね、たぶん、きっと、、、。


追伸
澤井監督の「Wの悲劇」も見てみたいと思います。
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