鍋レモン

完全なる報復の鍋レモンのレビュー・感想・評価

完全なる報復(2009年製作の映画)
3.7
⚪概要とあらすじ
『300 <スリーハンドレッド>』のジェラルド・バトラーと、『Ray/レイ』のジェイミー・フォックスが共演を果たした驚がくのサスペンス。

クライド(ジェラルド・バトラー)は自宅に押し入った強盗に妻と娘を殺害され、自身も刺されて重傷を負う。犯人二人は逮捕されたものの、フィラデルフィア随一の有罪率を誇る敏腕検事ニック(ジェイミー・フォックス)は確実に有罪にするため司法取引を持ちかけ、結果主犯格の男が数年の禁固刑で済んでしまう...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“正義とは何か-。”

「これが司法制度というものなのです」
「運命には逆らえない」

⚪感想
サスペンス作品。

復讐に燃える容赦ないジェラルド・バトラーが最高に良い。
真っ裸でも半裸でも美し過ぎる肉体。
優しい表情から憎たらしい表情まで。
判事を侮辱する時の語彙好き。

妻と娘をを惨殺され、司法にも裏切られたクライドと有罪率の高さにプライドを持っており、有罪であればあとはどうでもよく危険を侵さないニック。

恐らくクライドは優しく、妻も娘も大切にしていた人間だった様に感じたから、冒頭の事件からの変わり具合がとにかく怖かった。

観ていてクライドではなくニックたちにムカつくのが面白い。なので冒頭は胸糞だけどその後は爽快スッキリ。

若干ジェイミー・フォックス嫌いになりそう。

原題の 『Law Abiding Citizen』は「(法を遵守する)模範的市民」という意味だとか。
邦題は『完全なる報復』だけど「完全」じゃなさすぎた。この邦題のせいで後味が悪い作品になっている。邦題を付ける人はもっと責任をもって仕事して欲しい。

r-15だけあって一瞬だけど『セブン』くらいのグロいシーンがある。容赦がないので観ていて笑える。

細かいツッコミどころは満載だが気にしなければ面白い作品。

司法の穴。
犯人だと分かっていても証拠がなければどうにもできなかったり、被害者が納得のいかない形で終わったり。



⚪以下ネタバレ



ラストは後味が悪い。
クライドの行為が行き過ぎたからだろうけど最後は死ぬっていう定番の展開すぎる。
個人的に私はクライドの味方なので、ニックの妻や娘が死んで、家族が死ぬつらさをニックにも味わって欲しかった。
地下通路も彼らにバレている前提でクライドが行動し、ニックもその同僚も死ぬような展開があるとさらに面白かったかも。

クライドの以前凄腕の殺し屋みたいな設定は微妙。冒頭で襲ってきた強盗に手出しができなかったこと、ラストの爆弾を自分の独房に仕掛けられたことが見抜けなかったことから見ても凄腕の殺し屋には見えない。その他の殺し方は技術が高いからそういった設定にしないと成立しないからしょうがないが。
事件後の10年間は情報収集や地下通路を掘っていたみたいだし、復讐心で様々な技術や知識を身につけ的な設定だと『パニッシャー』過ぎちゃうかも。

サラは共犯者なのではないかという印象があったのに、その後にすぐ爆発で死んでびっくり。共犯者出なくても生き残りそうだった。

ちょいちょい分かりにくいシーンとツッコミどころが。
ダービーがフグ毒を注入された拳銃は、ダービーが逃走中に自身の拳銃を捨てていたからクライドが車内に置いていてそれを奪い取られる形で持たせたのかな。フグ毒の即効性が怪しい。
判事の携帯にいつ爆弾を仕込めたのか疑問。
牢屋に彼と他の囚人を入れておく必要性。
独房に入れられたとしてもある程度は監視の目があるのでは。

以下ストーリー。
妻も娘も失い、ニックの私欲のためにに司法にも見放されたクライド。犯人の1人エイムスは死刑になるが、妻と娘を殺したダービーは禁固5年程度で済んでしまう。
事件の10年後に死刑が執行されるも、死刑囚は死刑のための薬に手が加えられており酷く苦しみ死ぬ。また、ダニーも銃にいれられていたフグ毒の末に体をバラバラにされ死ぬ。クライドの復讐は入念な計画に基づきニックやその家族、同僚、弁護士、判事にまで及ぶ。市長にもその魔の手が及びそうになったときニックは爆弾をクライドの独房へ設置し、クライドを試す。クライドはそうとは知らずニックの説得も虚しく電話をかけ爆弾が起動。クライドは爆発の中、娘の作ったブレスレットを見ながら死亡。ニックは妻と娘の音楽会を見る。

⚪鑑賞
サタ☆シネで鑑賞(吹き替え)。
鍋レモン

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