表向きには大企業だが、裏では麻薬取引をしている悪組織。
弁護士のジャッキーは、その企業から仕事を依頼されるが。
『プロジェクトA』や『スパルタンX』でタッグを組んだジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウの3人が本作でも共演。
今のところ、3人が共演した最後の作品。
ジャッキー全盛期のベスト作品は?という話題が出ると、真っ先に上がるのは『プロジェクトA』、並んで『スパルタンX』か『ポリス・ストーリー』というのが定説な会話だろう。
あまり話題にしないこの『サイクロンZ』だが、今観るとなかなかの佳作。
これは、トリオの作品と言うのも大きな特徴かと思います。
ジャッキーとサモハン2人の作品へのアプローチの違いから、結構当時は色々あったそうです。
そんな時、ユン・ピョウが仲介して、晴れてのトリオ復活となった作品。
『スパルタンX』に続いて、元マーシャル・アーツ世界王者のベニー・ユキーデも登場。
物語自体は結構どうでもいい、というかやたらと恋愛に絡めた恥ずかしい部分が多め&長めで(特にサモハン)グダグダですが、アクションシーンはかなり気合い入ってて、キレのある痛い(肉体的にね)アクション満載でスッキリ爽快です。
まずジャッキーVSユン・ピョウVSサモハンという普段味方同士でなかなか絡まない3人が純粋にバトルするシーンがある。
次にベニー・ユキーデとのバトルが『スパルタンX』ではジャッキーのみだったのに対して、当作品ではVSサモハン、VSユン・ピョウがそれぞれある。
ユン・ピョウのアクロバティックな動きは相変わらずスゴい。
スタントいらずで頑張っているユン・ピョウはエライ(ユキーデに飛び回し蹴り食らうところはチン・カーロッですけどねっ)。
サモハンの動けるデブっぷり、若きジャッキーのキレのあるスピーディーな動きも素晴らしい。
ユキーデVSジャッキーのガシガシした真っ向勝負が見事。
なんでしょう、ジャッキーの全身に漲るオーラは。
特にあの二の腕。
間違いなくジャッキー・ベストバウトに数えられる名勝負。
(ユキーデに縦回し蹴り食らわせるところはチン・カーロッですけどねっ)。
そしてなんといっても、「ベニー・ユキーデ」の体重の乗った蹴りがスゴイ。
観ながら「おおっ!」って唸ったです。
さらに今回は敵のボス役ユン・ワーが最高。
ジャッキーの攻撃をスススっと避けての葉巻吸い動作なんて中国国宝級でしょ。
最後のやられ方も含めて、悪役らしいムカつく&ゾクゾクくる間が堪能できます。
ジャッキーは(微妙な)正義の弁護士という設定だけれど、あのようにカンフーで戦ったり、裁判官が贔屓目な展開には驚いてしまった。
しかしそうした展開や、恋愛要素、お笑い要素、仁義ある正義感など、儒教からくる道徳の要素がある日本人は感じがいいだろうと思う。
そして、弁護士なのに何故強い?という質問は愚問です。
なぜならジャッキーなのだから。
だが上述のように、グダグダ&下手くそな恋愛要素が多い。
ラブストーリーを入れるのはいいが、もっと現実を考えて脚本を書くべきだ。
この映画からは、サモハン監督の恋愛映画を撮る才能は感じられなかった。
まぁ好きになった女性にグイグイと攻める姿勢は見習うものがありましたが。
あと、この作品の携帯電話デカいです。
牛乳パック1リットル分くらいか?
なお、中国のタイトルは『飛龍猛将』であるが、邦題が『サイクロンZ』と無関係なタイトルなのかは定かではない。
多分『福星』シリーズとは別にジャッキー、サモハン、ユン・ピョウの香港三銃士が競演しているのが『プロジェクトA』、『スパルタンX』となってたから、カタカナ+アルファベットにしようという事で、適当な感じでこの邦題になったんだと思うが。
ちなみにヒロイン役のポーリン・ヤン、あんまり可愛くないって言われてるけど、個人的にはお好みでした😳💦
ミス香港出身だし、良いと思うんだけどなぁ。