かつては大名が宿泊した名家であった一柳家。
当主・賢蔵のもとに年の離れた花嫁、克子が輿入れした。
婚礼が終わった夜、闇を引き裂く琴の音色とともに、賢蔵と克子の無残な死体が発見される。
70年代に一大ブームを巻き起こした横溝正史=金田一耕助ものの先駆けとなった伝奇推理ロマン。
金田一役を中尾彬がやっているというのが、もうそれだけで面白い反則的な作品。
内容は、大筋は同じですが舞台設定を昭和初期から現代に変更、省かれた登場人物など細かい変更はあり。
1番の改変は、やっぱり金田一の描写、中尾彬がワイシャツにジーンズを着こなしヒッピー風になってます。
金田一のイメージや端折り部分の説明不足などありましたが雰囲気は原作のテイストを出してました。
意外にもあまりおどろおどろしい演出はなく、淡々と木造の日本家屋で人が死んだ程度の演出で終わる。
ツボだったのは、「離れに行くための扉に閂がかかってる! 壊さなくては!」と言っている彼らの真横の塀が割と低く、「別に隣から乗り越えればよくね?」で終わってしまうのが面白かった。
とはいえ、糸を使った機械トリックの最初から最後までカットせず、しっかりと映像にして提供してくれているのは素晴らしい。
これが映像でミステリーをやる醍醐味だし、冗長に思えてもこういうところはしっかりと残していってもらいたいものだなあとも思えた。