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レジェンド/光と闇の伝説の教授のレビュー・感想・評価

レジェンド/光と闇の伝説(1985年製作の映画)
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約30年ぶりの鑑賞。内容に関する記憶は全くなく、リドリー・スコット監督であり、主演はトム・クルーズであり、SFファンタジーということしか覚えていなかった。
印象に残っているのは、かつての「日曜洋画劇場」の予告である。

その為「初見」と言って差し支えない状況で、まず面食らう。
映像の凝り具合、美しさが圧倒的で、ショットの全てに無駄がない。
むしろやり過ぎなぐらいに圧倒的に美しい。
…にも関わらず、物語があまりにも面白くない。

ストーリーはオーソドックスというよりも平板で、壮大な内容の割に登場人物も少なく、エピソードも膨らみがなくあまりにも簡素で説明的。
「冒険」という意味では、全くのワクワクはなく、悪い意味で「事務的」に進行する。

若いトム・クルーズの演技も拙く人相もまだあどけなく、垢抜けない。
一方でヒロインのミア・サラも「可愛い」と強く印象づくような気もするが、唐突なストーリー展開と相まって、エキセントリックな人柄に見えてしまって魅力も乏しい。
とにかくひとつひとつの要素が「単調」という言葉に尽きるので、他に言うことが見つからない。

一方で、ロブ・ボッティンのクリーチャー造形などのビジュアル面だけがあまりにも前傾化していて、眼福であるが故に、非常にもったいない。

その為、映画としては全くと言っていいほど面白くはないのだが、リドリー・スコットとトム・クルーズという今後は恐らくないと思われる座組の妙と、リドリー・スコットがいかに「ルック」に対して天才的な映画監督であるかは、本作が一番堪能できる気がする。
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