奔放な少女シェリルと不良少年リックの恋…だけではなく、彼らの関係のキーパーソンとなるアリスという少女の3人の友情も描かれた作品。
同級生からからかわれてばかりのアリスは、お向かいの家に住む年上のお姉さんのシェリルに憧れている。
シェリルは少しマリリンモンローを彷彿とさせるキャラクターである。
金髪に紅い唇、ゆったりとした話し方によってちょっと色っぽくて男の子にもモテモテである。
最初はアリスもシェリルとリックの恋を陰ながら応援するだけだったが、あることがきっかけで二人と急接近する。
11,12歳の年頃では、高校生くらいの年代以上の若者に憧れるもので、わたしもそうだったなと思い出す。
アリスがシェリルとリックに過度に子ども扱いされずに「友だち」になるのも、背伸びをしていたあの頃に夢見ていた光景だった。
ちょっとイジメの度合いや性に対して背伸びをしすぎな、アリスの同級生たちの描写が胸糞悪く感じるところもあったのが残念。
からかいの度を超しており、アリスが気の毒に感じた。
そこまでひどい扱いをしたのにも関わらず、なぜかいい感じにまるくおさめようとしたラストも腑に落ちなかった。
それでも若者たちの刹那的な生き方が理想化されていて我々に夢を見させてくれる。
またこの時代の青春映画の特有の軽さだけでなくいい塩梅の深刻さもあったおかげで、気楽に見える若者の内面もちゃんと描かれており、甘酸っぱいだけでなくほろ苦くも感じる作品だった。