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太陽の子 てだのふあのyoko45のレビュー・感想・評価

太陽の子 てだのふあ(1980年製作の映画)
4.0
原作は灰谷健次郎の小説
 舞台は終戦から30年後の神戸。両親が沖縄出身で、沖縄料理店「てだのふあ・おきなわ亭」の娘ふうちゃんが、心を病む父親や沖縄と関係の深い人々の辛い過去とその心情に触れて成長していく話。
 小学生のふうちゃんと高校生の友人キヨシを演じる二人は全くの素人、他人の気持ちを良く察する優しい母親を大空真弓が演じ、父親が体験した沖縄戦の再現場面で大竹しのぶが登場します。
 観ていて思わず背筋がのびたのは、ろくさんの話。ろくさんは料理店「てだのふあ」に出入りする溶接工で、この役を演じるのも一般の方、しかも時代の証言者。ここに具体的に書けないくらい辛くて苦しい体験をされていました。
 いっそのこと記録映像と証言だけで訴えてもいいのではと感じるくらい沖縄の歴史と文化を知ることができる濃い内容ですので、教わったと感じるか、表現としては押しつけがましいと感じるかは観る人によって分かれるかもしれません。
 唱歌「旅愁(ふけゆく秋の夜 旅の空の)」が流れるたびに涙が出ます。
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