chanmasu

おもひでぽろぽろのchanmasuのネタバレレビュー・内容・結末

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

高畑勲の中でもかぐや姫についで今の所好き。女性が小学生の頃を時折思い出しながら話が進む。初恋、できなかった数学、家庭環境が複雑そうだった隣の子。中盤の男の子から好きという感触を得られて走り出し、そのまま空を駆け寝床につくシーケンス。ここが最高。ここを観れただけでよかったと思える。気分の高揚の表出で空を駆けて水を泳ぐようにピンク色の背景の中クロールをこぐ。アニメだからこそ違和感なく見れる飛躍に、なぜだかいたく感動。アニメーション素晴らしい...ってなる。某ラノベでお前、生理か?というセリフがあってドン引きしてしまったのですがこれを観た後だと作者とんでもないジジイ説ある。
おもひでぽろぽろオマージュかと言いたくなる位似たような幼稚なちょっかい。
話題が逸れました。
今人手が足りないからあんたがきたら助かるねぇ〜と人を利用する気まんまん、割とストレートに嫁がないか?と提案するお婆ちゃん。全く悪いと思ってないよ、という所がなかなか怖い。意思を確認する気持ちがこれっぽっちも感じられなくてワロタ。
そんな男女間の溝、時代観がバチバチに反映された家庭(親父のオイメシ!ムーヴ、that's家父長制。)親父の平手打ちパーンは意味不すぎるが、反復するショットが寡黙な親父の不器用さを印象づけていた。お母さんも抑圧的なカタブツ親父といるせいか、子供にしっかり抑圧的でしんどい。他の子が良い気しないから劇のオファー言いふらさないでね〜とか息苦し過ぎる。でも親にそんな事言われて言い返せる自信無い。数学のテスト赤点で知能を疑われ、自尊心ズタボロの主人公。
セルフケアってやつ、教えてやりてぇ...。
あ、貧しい隣の席の子とすれ違い、彼女なりの罪滅ぼしのつもりか唾吐いて大股で帰るところ好き。何だよそれという可笑しさと、貧困の中にいる人への同情?というとアレですがエンパシーと言いましょうか。大人になって思い返すと、なかなか家庭環境が複雑で、
汚いとかどうしようもなかったんだろうなーとか切なくなる。唯一不満なのがラスト。
あの流れであのまま旅立って欲しかった(家の印象が嫁ぐ?のシーンでどうにも良くない)
まぁ自分の気持ちに正直になって、恋愛をして少女のワタシとの対比という感じで決別するラストなんでしょうか。出資者の意向を感じてしまいました笑。だから俺はかぐや姫の方が好きですね...
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