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プレステージのAのレビュー・感想・評価

プレステージ(2006年製作の映画)
4.5
めっっっっっちゃ面白かった。
ノーランやっぱり凄い。
このくらいの規模感の作品がまた作らないかな。

お互いマジックに取り憑かれて憎み合って悲劇の連鎖を断ち切れない。
やられたらやり返すの繰り返しで、冷静に見ると良い歳した大人が何年も何やってんだって話で
根本的には凄くシンプルなのにこんなにも面白く作ってしまうのが流石ノーラン。

ファロンがボーデンの替え玉なんだろうなと言うのはうっすら分かってたけど役割分担をしていたのでなくお互い入れ替わって生活していたのは驚いた。
サラの「また血が出てる」ってそう言うことなのか、、

マジシャンは普段からキャラを作って生活してそのキャラに説得力を持たせる、とはいえ流石に狂気がすぎる。

ただボーデンとファロンはお互いが望んでそれを行っていたこと、強力的でお互いがお互いの理解者であったのに対して
アンジャーは自分のコピーを生み出し、それを替え玉にして、そして殺す。
と言うボーデンを超える狂気はもはや狂人のそれ。

テスラの作った複製装置は急にSF要素をぶち込んできて荒唐無稽すぎるとは思うけど、それを「あり」にさせるその後の展開がもう本当に凄くて。

この装置が瞬間移動装置ではなく複製装置と言うのがポイントで、観客は瞬間移動を見に来ているわけだから同じ人物が2人いるとバレてはいけない(トリックが分かってしまう)から片方を隠さないといけない
でも装置を使う度増えるとなると隠し続けられない=殺してしまうって言う流れになるのがうまい。
(1人だけコピー作ってあとは装置使わなきゃ良いのでは?と思ったけど仰々しい見た目と稲妻と光と共に消える演出ができる装置があれだけだった&大金を投じたから処分するのが惜しかった説を推したい)

ただあの装置って用は「ズル」なわけで、あれを使った時点でアンジャーの負けは確定してるんだよね。
どう足掻いてもボーデンには勝てないと分かったからボーデンを犯人に仕立て上げて死刑に持っていった。

ボーデンが絞首刑のために体を拘束されるシーンが脱出系マジックの仕掛けに見える撮り方も良い。

水槽で溺死する自分なのか、脚光を浴びる自分なのか分からないってところブランドン・クローネンバーグっぽさを感じで刺さった。
今いる自分はどの自分なのか、そもそもこれは自分なのか分からなくなっていく感じ。

時代的に男性も女性も服装がほんっっっとに全部良くて目の保養。
やっぱりコルセット締めてボリュームのあるスカートに過剰装飾のスタイルが好きだな。
スカヨハめちゃくちゃ可愛かった。

ヒュー・ジャックマンもめちゃめちゃ格好良かった。
シルクハットは大正義。
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