このレビューはネタバレを含みます
権力を糾弾し、権力に溺れていく男の悲哀。
以前やったTV番組で、あまたいる有名な映画制作者がNO.1の映画として挙げていたのがこの作品でした。
やっと観ることができました。
が、しかし今現代においてはそこまでの作品かどうか、ちょっと疑問に思います。
なかなかのテンポの速さについていくのが精一杯でした。せっかちそうな主人公の性格を表現しているのでしょうか。複数回観ないと、咀嚼できないです。
前半部は、権力の番人としてのメディアではあるが、しかしそのメディア自身すべてが真実ではないということを表現していますが、なかなかこの時代においてはメディアリテラシーなどは一般的な考えではなかったのではないでしょうか。
そして、物として扱ってしまうが故のパートナーとの軋轢。
後半はこちらの方に主眼が置かれています。結果的に、全体として掴みどころのない、どっちつかずの作品になってしまっている気がします。
私の見方があまいのでしょう。
『バラのつぼみ』の意味もよくわかりませんでした。
しかし、戦前の1930年代当時、ここまでの社会派な映画はまだなかったのでしょうし、その後の作品にも大きな影響を与えている映画史に残るエポックメイキングであることは間違いないかと思います。